整体院は費用がかかりにくいビジネスであり、成功すれば売上を伸ばしやすいと言われています。しかし、整体院の数は多く、お客様の取り合いになることから、集客に悩まされているという方も多いのではないでしょうか。

本記事では、整体院の集客方法や運営のコツについて詳しく解説します。集客を行う際に気を付けたいポイントなどについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

整体院が集客できない原因6個


集客がうまくいっていない原因として考えられるポイントを紹介します。

1. ターゲットが不明確

「肩こりや腰痛緩和・姿勢矯正・骨盤矯正・リラクゼーション」などとあれもこれもとアピールしては「専門性のない整体院なのかもしれない」と思われ、お客様が来院をためらう場合があります。

産後の女性をターゲットにしているのであれば「骨盤矯正・産後のトラブル」、慢性的な悩みを抱えている方であれば「姿勢矯正・腰痛の緩和」など、ターゲットに沿った的確なアピールを行う必要があります。

2. お客様のニーズとずれている

「痛みを和らげたい」「日頃の疲れを取りたい」など、お客様が抱えるニーズはさまざまです。施術の腕が確かなものであっても、ニーズに適したサービスを提供できなければ、お客様に選ばれ続けることは難しいでしょう。

ターゲットとなるお客様がどのようなニーズを抱えているのか考え、お客様の目線でサービスを設計することが大切です。

3. お客様からのヒアリングや分析が不十分

お客様とのコミュニケーションが不十分だと、お客様に適したサービスを提供できない可能性があります。また、そのような姿勢はお客様にも不安を与え、整体院に対するイメージを損ねてしまうかもしれません。

お客様の悩みを丁寧に聞くとともに、身体の状態を十分に分析することが大切です。お客様に寄り添ったサービスを提供することで口コミが集まり、集客も行いやすくなるでしょう。

4. 信頼が獲得できていない

公式ホームページの情報が不足していたり、口コミが少なかったりなど、お客様が安心して足を運べないケースです。また、来院したお客様が、施術内容や院内の様子からあまり信頼できないと感じるケースもあるでしょう。

オンライン上でサービス内容や料金などを詳しく載せておくなど、情報を十分に提示することが大切です。また、院内の清潔感やスタッフの対応にも気を配り、安心感をアピールしましょう。

5. 技術が不足している

自分では良い施術をしたつもりでも、お客様が効果を感じられなければ、再び来院してくれる可能性は低いでしょう。特に、初めて来院されたお客様やすぐにでも効果を実感したいというお客様は、効果を感じられないとすぐに見限ってしまうことがあります。

整体院として開業した後も、常に技術を磨くように心がけましょう。

6. リピートが獲得できない

お客様に「また来たい」と思ってもらえなければ、リピーターを獲得できず、集客に悩むことになります。技術や院内の雰囲気・値段など、さまざまなポイントから改善を行い、また来たいと思ってもらえるような整体院にすることが重要です。

また、スタンプカードを使って「○つスタンプがたまると特典」などの仕組みを作ることも有効です。施術の終了後に次の予約を促してもいいでしょう。

整体師に求められるもの

整体師として成功するためには、お客様に寄り添って施術を行う姿勢が重要です。

どんなことに悩んでいるのか、どんなことを求めているのかを的確に把握するヒアリング能力が大切です。また、体だけでなく精神面のケアもできるようなカウンセリング能力も大切でしょう。

さらに、整体師は民間の資格しかないため、信頼性や安心感を増すために、公的な資格を取得することも検討してみてください。長期的な視点で見れば、整体院の経営にプラスに働きます。

取得を検討したい資格としては次のような資格があります。鍼灸師、柔道整復師、理学療法士、作業療法士、あん摩マッサージ師などです。

整体院の集客方法6個[オンライン]


オンラインでできる整体院の集客方法について解説します。

1. ホームページ

整体院の雰囲気やサービス内容を伝えるために重要なのが、ホームページです。情報をわかりやすく伝えることで、新規のお客様を獲得できる可能性があります。

ホームページを作成するためには、外部のWeb制作会社などに外注することが一般的です。また、既存のテンプレートやツールを使うことで、簡単なホームページを自作することもできます。

2. SEO

SEOとはSearch Engine Optimizationの略であり、日本語で「検索エンジン最適化」を意味します。Googleなどの検索エンジンで、自分のページを検索結果の上位に表示させるための施策です。

ホームページからの集客を目指す場合には、このSEOにも力を入れることが望ましいとされています。SEOで効果を出すためには時間がかかるため、長期的な対策を行いましょう。

3. MEO

MEOはMap Engine Optimizationの略であり、日本語では「マップエンジン最適化」もしくは「ローカルSEO」と言います。

MEOはGoogleマップで自分の店舗や施設などを上位に表示させるための施策であり、Googleマップを見たユーザーに来店してもらいやすくなるメリットがあります。MEOは比較的手軽に行える方法であり、効果が出るのがSEOに比べて早い傾向にあります。

4. リスティング広告

ホームページを制作した場合に、よりたくさんのユーザーに自分のホームページにアクセスしてもらうための方法として、リスティング広告があります。

リスティング広告はGoogleなどの検索エンジンに掲載する広告であり、ユーザーが検索したキーワードに応じて検索結果の画面に表示されます。例えば、新宿の整体院であれば「新宿 整体院」などのキーワードで検索した際に広告が表示されるように設定します。

5. SNS

FacebookやTwitter・InstagramといったSNSのアカウントを取得して集客する方法です。

整体院の情報を発信することはもちろん、身体に関する豆知識などを発信することで、ユーザーに見てもらいやすくなる可能性があります。それぞれのSNSの傾向やユーザーの年齢層などを分析することで、より効果を発揮しやすくなるでしょう。

6. ポータルサイト

さまざまな店舗を検索して比較できるポータルサイトに登録することも有効です。

予約できる日にちやサービス内容から検索できるため、実際の来院に繋がりやすいメリットがあります。また、口コミを集めることで信頼性が高まり、新規顧客を獲得しやすくなるでしょう。

ポータルサイトによっては広告費が発生するため、費用に見合った効果が出るかどうか検討する必要があります。

整体院の集客方法4個[オフライン]


オフラインでできる整体院の集客方法について解説します。

1. 看板

店頭に看板を設置して、通りがかった人に整体院があることをアピールする方法です。看板を作る場合は、整体院であることが一目でわかるようなデザインにすることが大切です。そして整体院の特徴を表すキャッチコピーも掲載しましょう。

看板を設置する場所がない場合は、簡単な店頭ボードを自身で記入し、設置してもいいでしょう。

2. チラシ

チラシを配布することで、整体院の存在を広く知ってもらうことができます。新規顧客の獲得はもちろん、しばらく来院していないお客様の再訪を促す際にも役立つでしょう。

業者によっては、制作からポスティングまで一貫してお願いすることもできます。経費を削減したい場合には、自分で制作して、ターゲットとなる地域に自ら配布してもいいでしょう。

チラシを配布する時は、来てほしいお客様が住んでいそうな地域や家に配布することが大切です。

3. イベント

「初回施術プレゼントキャンペーン」などのイベントも、新規のお客様の獲得に有効です。「無料」や「限定」などの言葉を使うと、よりお客様の目に留まりやすくなります。

また、クリスマスやハロウィンなど、季節ごとのイベントを取り入れてもいいでしょう。お菓子を配布したり、店内を飾り付けしたりすれば、親しみやすく居心地の良い空間を演出できます。

4. 紹介

「お友達の紹介で1回分無料」などのカードを配布して、新規のお客様を紹介してもらう方法です。そのような仕組みを作ることで、 既存のお客様が友人を紹介しやすくなります。

また、紹介される側にも特典を用意し、来院を促します。友人が通っている整体院であれば、安心感から来院してもらいやすくなるでしょう。

整体院の売上アップのコツ3個


整体院の売上を上げるためにはどのような点に気をつければいいのでしょうか。押さえておきたいポイントを紹介します。

1. リピートを獲得できるようにする

既存のお客様がリピートしてくれれば、新規のお客様を獲得するための広告費などがかからりません。売上がほぼ定期的に上がるため、経営が安定するでしょう。

開業して間もない時は新規のお客様を集めることに注力し、その後はできるだけリピートを狙った施策に移行します。お客様のフォローを丁寧に行うことで、リピートを獲得しましょう。

2. 今まで来たことのあるお客様に再び来てもらう

全く来院したことのないお客様を1から集客するよりも、足が遠のいている既存のお客様に来てもらう方が、一般的には簡単と考えられています。

そのようなお客様には、自身の整体院の存在を思い出してもらうようなアピールを行います。チラシやハガキを送付したり、メールを通じて季節の挨拶をしたりといった方法が有効です。

3. 新規集客の仕組みを整える

新規のお客様が少ない場合には、集客方法の見直しを行いましょう。

ホームページやSNSのアカウントを作ったはいいものの、あまり成果が出ていないというケースは多いのではないでしょうか。また、今回紹介した集客方法の中にも、まだ試したことのないという方法があるかもしれません。

自身の整体院にとって適切と思われる方法を選択し、より効果が出やすい仕組みへと改善していきましょう。

整体院をマンションや自宅で開業するメリット・デメリット

整体院をマンションや自宅で開業すると、家賃や施工費を抑えられます。初期投資を抑えて、少ないリスクで開業できるでしょう。

自宅で開業することで、子育てをしている方が子供のそばにいながら仕事をすることもできます。家族と過ごす時間が増え、仕事と家庭が両立しやすくなります。

また、通勤時間が発生しないこともメリットと言えます。通勤にかかるストレスや時間を排除し、より施術に集中しやすい環境が整います。空いた時間は集客について考えたり、整体について勉強したりと、時間を有効活用することが可能です。

しかし、テナントでの開業と比べて集客が難しいケースがあります。住宅街での開業は目立ちにくく、整体院の存在をあまり認知してもらえないことも考えられます。さらに、来院にあたって心理的なハードルが発生することも考えられるでしょう。

整体院の広告規制と法律


整体は、法律で定められた、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復以外の「医業類似行為」になり、厳しい規制があるため、広告表現には注意が必要です。

関連する法律としては、次の5つです。

・医師法
・あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律(あはき法)
・柔道整復師法
・薬機法(旧薬事法)
・景品表示法

禁止表現①「治療にかんする表現」

医師法は、医療行為が医師のみができる行為として定めており、その他の人が医療行為を行うことを禁止しています。

そのため、「◯◯が治る」「◯◯(病名)に効果がある」といった表現はNGです。

禁止表現②「誇大広告」

誇大広告は景品表示法との関係になりますが、次のような表現は禁止です。

「最高の施術」
「1日で必ず変わる」
「こんなに変わった!(ビフォーアフター写真付きで)」

禁止表現③「〜〜に効く」

整体院で、サプリメントや健康器具を売ることがあるかもしれませんが、その場合に以下のような売り方は禁止です。この場合は、薬機法違反となります。

「自律神経失調症に効くマットレス」
「腰痛に効くサプリメント」

まとめ

整体院の集客は、ターゲットを設定して、お客様から求められているものを考えた上で行うことが大切です。また、オンライン・オフラインを問わずさまざまな集客方法があります。広告規制にも気をつけながら、自院に適した方法で集客を行いましょう。