弁護士業界は、司法制度改革で法科大学院(ロースクール)や新司法試験が新しくできたこともあり、弁護士数・法律事務所が以前より増えています。

そのため、競争が激化し、弁護士業界でもマーケティングや営業の重要性が増しています。新規顧客を獲得するために、どんな集客方法があるのか解説します。

※Web集客の無料相談、弁護士向けホームページ制作を行っています。無料相談はこちらのページからご相談ください。

弁護士の市場環境と人数推移

まずは市場環境を確認します。弁護士数の人数推移について日本弁護士連合会の資料を参考に図にしました。

2021年3月31日時点で弁護士数は43,206人(うち女性8,335人)で、2023年4月1日時点の弁護士会会員数は44,961(うち女性8,914人)です。

日弁連の資料には、将来予測もあり、2048年に64,431人でピークを迎えると書かれてあります。弁護士数が今後も増え続けることは間違いないでしょう。

集客の流れ

顧客との関係については、マーケティングファネルを意識して集客に取り組んでみて下さい。

マーケティングファネルとは、見込み客を自分の顧客にするまでの流れを示したモデルです。ファネルとは、日本語の「漏斗(ろうと)」のことで、図示すると以下のような逆三角形の形になります。

マーケティングのファネルの流れは次のようなものになります。

・認知(Attention)
・興味・関心(Interest)
・比較・検討(Desire)
・購入(Action)

いきなり依頼者のみと出会うことは難しいので、より多くの人に認知してもらう必要があります。

弁護士の集客方法11個[オンライン]

1. ホームページ

ホームページは、集客の要です。事務所名や弁護士名の認知を獲得した際に、いきなり仕事依頼が来るわけではなく、まずはホームページを確認する人が多いからです。

弁護士の場合、ほとんどは深刻な相談になるため、よりその傾向が強くなります。ホームページの内容を見て依頼しても大丈夫かどうか判断することが多いです。

メリットデメリット
・ブランディングができる
・特徴を明確に伝えられる
・差別化しやすい
・制作コストが大きい
・設計や内容が大切
・制作会社の見極めが難しい

2. SEO

SEOは、Search Engine Optimizationの略で検索エンジン対策のことを指します。自社の見込み客が検索するキーワードを探して、そのキーワードでホームページの上位表示を狙います。

例えば渋谷で弁護士を探す人にアプローチするためには、「渋谷 弁護士」というキーワードで上位表示を狙うことになります。

キーワードの選び方は、事務所のエリアやターゲットによって変わり、戦略的に行う必要があります。

メリットデメリット
・順位が安定化しやすい
・継続した取り組みで結果が出る
・広告費はかからない
・対策に時間がかかる
・知見の修得が難しい

※SEO、MEO、リスティング広告の違いは以下の画像を参考にしてください。「渋谷 弁護士」で検索したときの検索結果画面です。クリックすると拡大できます。

3. MEO

MEOは、Map Engine Optimizationの略です。SEOと似ていますが、マップでの上位表示を狙う施策です。

例えば渋谷で弁護士を探す人にアプローチするためには、「渋谷 弁護士」で検索されたときに表示されるマップで上位表示を狙います。ただ、MEOは事務所の住所とも大きく関係するため、狙えるキーワードは限定されます。

3位以内が圧倒的に露出が多くなるので3位以内を狙うのがおすすめです。口コミを増やすために、依頼者にもお願いするようにして下さい。

弊社の集客支援実績でも、10位以下から1位に上昇して問い合わせが急増した事務所があります。また、そのくらいになるとわざわざ県外からマップの評判を見て相談に来る方も出てきています。

メリットデメリット
・口コミで信頼を得やすい
・安定化しやすい
・広告費はかからない
・対策に時間がかかる
・悪い口コミがつくと挽回が大変

4. リスティング広告

検索エンジンの検索結果では、リスティング広告に該当する部分があります。

お金を払ってその場所に広告を表示させ、見込み客にアプローチします。

例えば渋谷で弁護士を探している人にアプローチするには、渋谷 弁護士で検索されたときに広告を表示させます。

WEB広告には、リスティング広告以外にもこのあと紹介する各SNSを使ったSNS広告があります。対象となる依頼者や案件の内容により、費用対効果の高いものを活用してください。

メリットデメリット
・すぐに露出ができる
・競合に差をつけることができる
・広告費がかかる
・ページの制作クオリティで差が出る

5. Twitter

Twitterは、140文字以内のテキストで投稿するSNSです。

継続的に情報発信を行い、フォロワーを集めて交流し、相談や仕事依頼を獲得する方法です。

情報発信は何でもいいわけではなく、事前に発信内容を決め、投稿するのがおすすめです。ランチやプライベートな内容を発信しても仕事依頼にはほぼつながらないため、見込み客を定めてその人たちに役立つ情報発信を行ってみてください。

メリットデメリット
・文字がベースなので取り組みやすい
・知名度が増し、指名で仕事が来る
・フォロワーを集めるのに時間がかかる
・投稿には戦略やスピードが必要

6. Facebook

Facebookは、リアルな知り合いと交流するSNSです。最近はビジネス目的の利用が増えているため、知り合った方とFacebookでもつながり、何かあったときに連絡してもらいやすい形を作っておくのがおすすめです。

メリットデメリット
・リアルな知り合いがメインのため、信頼が得やすい・利用ユーザーが限られている

7. Youtube

弁護士の方でもYouTubeを行う方が増えています。法律関連の動画で再生回数を増やし、見込み客にアプローチします。

YouTube内検索を狙った動画や、最近の事件をテーマに扱った動画などで、再生回数を増やしていきます。ショート動画もリーチを伸ばすのに有効です。

Youtubeで活躍する弁護士としては、アトム法律事務所の岡野タケシ弁護士が有名です。

メリットデメリット
・信頼獲得ができ、依頼につながりやすい
・多様な年齢層が利用している
・制作コストがかかる
・更新が大変

8. Tiktok

TikTokもYouTubeと同様で動画を使ったマーケティングです。TikTokは、ショートムービーがメインになるため、要点だけをかいつまんで説明する形になります。ただ、今は長尺動画も投稿可能です。

利用者の年齢層は拡大していますが、若年層がまだまだメインです。世界的に利用者が急拡大していて、今後よりいっそう重要なツールになるはずです。

メリットデメリット
・認知を獲得しやすい・若年層がメイン
・更新が大変

9. Instagram

Instagramと聞くとおしゃれなお店やきれいな景色などのイメージがあるかもしれませんが、利用者が多く、求める内容も多様化しています。

Instagramも、最近はショートムービーの存在感が増しています。ショートムービーもしくは、画像で法律解説を行い、フォロワーを集めて見込み客にアプローチしていきます。

メリットデメリット
・女性ユーザーが多い・ジャンルによっては相性がよくない

10. LINE

LINEは既存顧客へのアプローチに適しています。LINE@に登録してもらってLINEから相談してもらいやすくします。

また、最近はオープンチャットもあるので、活用方法次第で新規顧客へのアプローチにも使えます。

メリットデメリット
・気軽に相談してもらいやすい
・電話やメッセージでアクションを得やすい
・友達登録してもらう必要がある

11. ポータルサイト

ポータルサイトは、弁護士ドットコムなどの弁護士情報が揃ったサイトのことです。ユーザーはポータルサイト内で検索したり、検索結果のポータルサイトの情報を見たりして、弁護士へ問い合わせを行います。

無料掲載や有料掲載のプランがあります。多くの場合は、目立つ場所に掲載してもらうために広告費を支払って掲載してもらう形になります。

メリットデメリット
・集客をお任せできる・競合と並んで表示される

弁護士の集客方法5個[オフライン]

1. 看板

看板は、人通りの多いところに認知獲得目的で、設置します。多くの内容は伝えられないので名前を知ってもらい、特定の特徴を訴求するのがおすすめです。

その場合、事務所名を検索してホームページを見ることが多いので、ホームページを充実させることは重要です。

2. チラシ

チラシでは、認知獲得以外に、事務所の特徴や、セミナーの案内などさまざまなことを書くことができます。

例えば、相続対策のセミナーを企画し、チラシで集客するなどの使い方があります。

3. セミナー

セミナーは、無料セミナーや有料セミナーなど様々な使い方があります。また自分で企画して行う方法もあれば、商工会議所や企業と一緒に行う形もあります。

どんな依頼につなげたいのかを考え、セミナー内容を企画します。

4. 紹介

これまでの依頼人や、知り合い、顧問先からの紹介など、紹介経路は様々ですが、最初の依頼人の案件をスムーズに満足度高く進められれば、紹介してもらいやすくなります。

5. 提携

保険会社と提携して、交通事故案件を獲得するなど、案件を持っている企業と提携し、継続的な案件獲得につなげます。

集客経路別の客層

集客経路によって客層は異なります。一般的にオンライン集客よりもオフラインでの紹介のほうが客層が良いことのほうが多くなります。

ただ、だからといって色んな相談者が来るWeb集客はしないほうがいいかというと、そうではありません。今ではほとんどの人がインターネットを使っているので、色んな人が相談に来ます。

Web集客では、問い合わせまでのハードルを上げると他の弁護士事務所に流れることが多くなるため、いったんは問い合わせを受け付けたほうが最終的な成約数も多くなります。

経験を積めば、実際の依頼につながる相談なのかどうか判断できるスキルは上がりますので、実際の面談までの間に電話やチャットなどで判断する段階を設けて、効率よく案件をこなすことが大切です。

どの集客方法に取り組むべき?

集客方法は紹介したようにたくさんありますが、地域の弁護士であれば、ホームページ+SEO+MEO を事業者に任せて、自分はオフラインでセミナー・提携などをしていくのがおすすめです。

まず、SNSは自分の活動地域に住んでいる人に絞って届けることが難しいため、閲覧数やフォロワー数が増えても東京都内や大阪などの人口が多い場所でない限り、依頼になかなかつながりません。

また、交通事故・離婚・相続などは問題が起きてから調べたり、動いたりするため、SNSでそのテーマを日常的に見ている人は多くないでしょう。例えば、Instagramではそれらのテーマで伸びているアカウントはほぼありません。

※弁護士がかかわる法律や業務は幅広いので、他のテーマであれば活かしやすいものもあります。戦略アドバイスなども可能ですので、お気軽にご相談ください。

弁護士の生き残り戦略

弁護士は多すぎて食えなくなっていると言われることもありますが、まだまだ生き残ることは十分に可能です。飲食店や美容室はさらに競争が激しい状況ですが、有名で勝ち残っているところもたくさんあることを考えると、弁護士業界が特別難しいとは言えません。

ただ、生き残るためには戦略を立てる必要があります。法律の分野、事務所の場所など、自分の勝てるポイントを見つけて、その分野で勝負するようにすれば、勝つことができます。

例えば、弁護士の多い東京都内でも、ニーズがあるにもかかわらず、評判のいい弁護士事務所がないところもあるのです。GoogleMapで調べるだけでもある程度のことは分かります。

自分のポジションをどこに置くのかを考えながら、取り組んでみてください。

法律上の注意点


マーケティングを行う上で、よく関係してくるのが景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)です。

過去にとある法律事務所が、景品表示法違反(有利誤認)で消費者庁から措置命令を受けたことがあります。おそらく知っている人も多いことでしょう。大手法律事務所だっただけに大きなニュースになりました。

弁護士の方々であれば、法律知識があり、違反行為をすることはないと思われますが、事務所内のWeb担当者や広告代理店・ホームページ制作会社に任せていると、法律違反を行ってしまうリスクはあります。大手企業でも景品表示法違反は度々起こしていますので、各担当者レベルとなると、景品表示法を詳しく知らないなんてことは珍しくありません。

弁護士事務所にとって法律違反は致命傷になりかねないので、依頼先は信頼できるところに任せたほうがいいでしょう。

弁護士の集客成功事例

当社でホームページ制作+SEOを行ったケースで、独立初年度から売上4000万円を超えた事例があります。
弁護士事務所の場所は地方都市で、弁護士は1名(+事務員1名)です。

当社では、ホームページ制作、SEO、MEO、リスティング広告などの集客支援サービスをご用意しています。

まとめ

集客方法はたくさんあり、すべて行うのは現実的には難しいです。それぞれの方法にノウハウや勝ち筋があり、成果が出るまで時間がかかることも珍しくありません。

いくつかの集客方法に絞って継続することから始めてみてください。

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