景品表示法は、商品やサービス全般にかかわる法律であるため、ビジネスを行う人にとっては詳しく知っておきたい法律です。
景品表示法の勉強に役立つおすすめの本を紹介します。わかりやすい入門書籍だけでなく、本格的で専門的な内容について解説している本も紹介します。
目次
景品表示法とは?
景品表示法は略称で、正式名称を「不当景品類及び不当表示防止法」と言います。管轄は消費者庁です。
景品表示法第一条の目的で以下のように書かれているとおり、一般消費者の利益を保護することを目的とした法律です。
第一条 この法律は、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止について定めることにより、一般消費者の利益を保護することを目的とする。
景品表示法の本の選び方
景品表示法は改正の多い法律です。最近ではステマ規制が導入され、話題となりました。
そのため、できるだけ新しい書籍がおすすめです。
数年前でも良い本はあるので、その本を利用する場合は、その後の改正について自分で調べて把握するなど対処するようにしてください。
景品表示法の本おすすめ6選
1. 景品表示法〔第6版〕
元消費者庁表示対策課課長の西川氏が書いている本です。景品表示法務検定試験対策の必携書として人気です。
景品表示法制定の経緯とその後の改正・その背景について触れたあと、網羅的に景品表示法について説明されています。
2. はじめて学ぶ景品表示法
必須の基本的な内容を網羅しつつ、豊富な事例と一緒にわかりやすく解説した入門書です。
著者は、消費者庁表示対策課の方で、景品表示法の運用実務に精通しています。
令和5年の改正にも対応し、ステマ規制についても触れられています。
3. 景表法を制する者はECビジネスを制するステルスマーケティング広告規制を中心に徹底解説
ステルスマーケティングはこれまで何度も大きな問題となっていましたが、規制が始まりました。そのステルスマーケティングへの規制を中心に景品表示法について解説している本です。
景品表示法をある程度知っていて、ECに取り組むメーカー・通販会社・広告代理店などで仕事をする方に有益な本です。
4. Q&A 広告宣伝・景品表示に関する法律と実務
広告宣伝や景品表示について実務を重視して解説されている本です。
広告宣伝では、景品表示法以外にも、消費者契約法・特定商取引法・割賦販売法・食品表示法・健康増進法・不正競争防止法等などが関わりますが、それらも横断的に解説されています。
5. 逐条解説 令和5年改正景品表示法
令和5年の改正内容について立案担当者が詳しく解説した本です。
令和5年の改正では、確約手続、課徴金制度の見直し、罰則規定の拡充などが行われました。それらの改正にかかわる条文についてひとつずつ丁寧に解説しています。
6. Q&Aでわかる 医薬品・美容・健康商品の「正しい」広告・EC販売表示
化粧品・健康食品・医薬部外品などの美容健康ビジネスに関わる人に役立つ、景品表示法や薬機法の解説書です。
具体的な広告表現について、OKなのかNGなのか、その理由はどうしてかなどについて書かれています。
美容健康ビジネスのオーナーや担当者、それらの企業と取引のあるEC支援事業者、Web制作会社、インフルエンサーなどにおすすめの本です。
景品表示法の違反件数はかなり多い
景品表示法違反の疑いがある件数はかなり多く、1年間で10000件を超えます。すべての調査ができず、取り締まることができないほど、違反している事業者がいるということです。
※引用元:消費者庁資料
広告、マーケティング、営業など各部署の全員が把握するのは難しいところですが、現場の人が知っておかないと、違反はなかなか無くならないでしょう。
よくある違反内容としては例えば以下のようなものがあります。
・適切な調査方法がなされていないNo.1広告
・自社の社員や関係者による商品やサービスへの良好な口コミ(ステマ)
・商品の機能や素材などを本来のものよりも良いものであると誤認させる表示(優良誤認表示)
・元々割引で表示されている価格で販売しているものの、元値を高く見せてお得であると誤認させる表示(二重価格表示)
など。
本以外の景品表示法の勉強方法
消費者庁のサイト
消費者庁のサイトでは、景品表示法の改正や、違反した企業への措置命令などが随時公開されているため、最新情報の取得や実務の理解に役立ちます。
時代に合わせて改正も行われるため、最新情報は押さえるようにしましょう。
薬事法マーケティングの教科書
薬事法マーケティングの教科書は、美容健康ビジネスをしている事業者がかかわる法律について解説しているメディアです。
景品表示法の解説記事も多数あります。
事例も多く扱っているので参考にして下さい。
まとめ
景品表示法は、ビジネスをしている方ならほとんどの人がかかわる法律です。知らないうちに違反している人も多いため、基本的なことだけでも理解しておくようにしましょう。
違反で行政から取り締まられなくても、SNSで炎上しているケースもあります。企業への信頼にかかわるため、注意してください。