クリニック開業で後悔…失敗パターン9個と対策!廃業率

クリニック開業で後悔…失敗パターン9個と対策!廃業率

ほとんどの医師にとってクリニック・診療所・医院の開業は初めてのことであり、後悔や失敗はつきものです。中には経営やマーケティングの知識がないために、廃業に追い込まれてしまうクリニックもあります。

クリニックの開業に成功するためには、どのようなポイントに注意すればいいのでしょうか。クリニック開業における後悔・失敗パターンを参考に考えてみましょう。

開業医と勤務医の違い

開業医となれば、勤務医には無かった経営責任が生じます。資金繰りや集客・スタッフ選びまで、 あらゆる場面で意思決定を迫られるでしょう。

勤務医は多数いる病院のスタッフの1人として働き、経営者や上司の管理を受ける立場ですが、開業医となれば自らスタッフを管理しなければいけません。

開業医は日常的にこれらの業務をこなす必要がありますが、勤務医として働く中ではそのような業務に携わる機会がなかったという方も多くいます。

また、規模の大きな病院は紹介状を持った患者が来ることがほとんどですが、クリニックの場合は患者自ら受診するクリニックを選ぶことが一般的です。「待っていても患者が来る」という姿勢ではなく「どうすれば患者に来てもらえるか」といった姿勢で物事を考えていく必要があると言えるでしょう。

開業医の廃業率・倒産件数

帝国データバンクが医療機関の休廃業・倒産にかんする資料を出しています。帝国データバンクの資料だとクリニックの廃業や倒産は、以下の件数です。

2016年2017年2018年2019年2020年2021年
休廃業375366387444411471
倒産161314221222

参考:医療機関の休廃業・解散動向調査(2021年)医療機関の倒産動向調査(2021年)

厚生労働省の医療施設調査によると、令和2年(2020年)の施設数が102,612、令和3年(2021年)の施設数が104,292となっており、その間の増減は次のとおりです。増加要因(開設9,546件、再開229件)、減少要因(廃止7,612、休止483件)。

この数字をもとに廃業率を計算すると、7,612 ÷ 102,612 = 7.4% となります。

クリニック開業後に後悔…

クリニックを開業した後に予想していなかったことが起こるのはよくあることです。すべて思い通りにいくことはほぼないでしょう。

あまりに予想外のことが起きたり、失敗したりして後悔する人も少なくありません。上手くいかなかった場合にどうするかが大切になってきます。

よくある失敗パターンを紹介します。

クリニックの失敗パターン9個

開業医の廃業率は増加傾向にあることがわかりましたが、具体的にはどのような状況から失敗に陥るのでしょうか。クリニック開業で失敗するパターンを紹介します。

1. 開業時の費用が高い

開業時は建物や医療機器への設備投資を代表に様々なことにお金がかかりますが、初期費用をかけすぎてしまうケースがあります。

内装を必要以上に凝ってしまう、あまり使う機会のない高額な機器を購入してしまうなど。

借入をして購入したのであれば、資金繰りが苦しくなって、購入したことを後悔することになるかもしれません。たとえば、整形外科のウォーターベッド型マッサージ機など、必ずしも必要でない設備の購入には慎重になりましょう。

2. 経営スキルが足りない

クリニックを開業すれば、医師としてのスキルだけではなく、経営にまつわるスキルも求められます。スタッフのマネジメントや労務管理、経理やマネジメントなど、日々多くの課題と向き合うことになるでしょう。

開業前はもちろん、開業後も経営について学び、情報収集を行うことが求められます。外部のセミナーやコンサルタントを活用する必要も出てくるかもしれません。

3. 立地が悪い

立地はクリニックの成功を左右するほど重要な要素です。そのため、事前に診療圏やその地域の特性をよくリサーチする必要があります。

しかし、リサーチを行っても開業後に以下のようなことが起こる場合があります。

・思ったよりも患者が集まらなかった
・通勤ラッシュ時に道路が混雑する
・目立たない場所で分かりにくかった
・地域住民にとって他院の存在が大きかった
・患者数に対して駐車場が狭かった
など。

都市開発やそれに伴う社会の変化・人口変動によって、状況が変わる可能性もあるため、将来の見極めも大切です。

4. 資金繰りの失敗

十分な患者数が確保できないなどの理由で収入が減り、経営が悪化するケースもあります。また、収入はあるのに家賃や人件費といった支払いのタイミングで資金が準備できない「黒字倒産」に陥ることもあります。

このような失敗を防ぐためには、会計や財務に関して最低限の知識は身につけておかなければいけません。そして税理士の手を借りるなどして、適切な資金繰りを目指すことが大切です。

5. スタッフが定着しない

面接を行って慎重に採用したスタッフであっても、スタッフ同士のトラブルや環境に対する不満があれば簡単に退職してしまいます。

再度採用募集をかけるお金や、面接を行う手間、新人スタッフが仕事を覚えるまでの時間などを考慮すれば、短期離職は効率的とは言えません。スタッフが定着しなければ、最悪の場合、運営を続けることが困難な状況になる可能性もあります。

開業後は定期的にスタッフと面談したり、労働環境を気にかけたりと、勤務医時代には考えなくてよかった部分まで考える必要があります。

6. 患者ニーズとの乖離

患者のニーズに沿った対応を行わなければ、そもそも患者が来なくなったり、一度来ても患者の足が遠のく可能性があります。

例えば、高齢者が多いのにバリアフリーになっていない、など。

また、診察室で話している内容が待合室まで聞こえる、スタッフの愚痴が聞こえるなど、患者が不満を抱く要素を見落とさないようにすることも大切です。

7. 集客ができない

新規の患者を集客できるようにならないと、既存の患者がいるうちはよくても、次第に集客に困るようになる可能性があります。

クリニックを選ぶ際、ホームページやネットの口コミを見て判断するという患者はたくさんいます。

そのため、安定的な集客を行うためにホームページを制作してわかりやすい説明を行う、クリニックのSNSアカウントを作って更新するなど、集客手段を確保することが大切です。

8. 患者への対応が悪い

医師の中には「患者が来て当たり前」「患者を診てあげている」といったスタンスから抜け出せない方がいます。

開業後は患者に対する対応がそのままクリニックの評価につながるため、そのような対応は改める必要があります。特にネット上に書き込まれた口コミは長く残るものであるため、そのような対応を行うと長期間にわたって集客に悪影響を及ぼすでしょう。

9. 競合の増加

数多くのクリニックが存在する地域では、患者の取り合いになり、思ったような収入が得られないケースがあります。そのような地域では、いくら人口が多くても生き残る難易度は高くなります。

腕の良い有名な医師が近隣に新しく開業した、大きなグループの分院が新しくできた、などの理由で患者を取られてしまうこともあるでしょう。

クリニック開業で失敗しないための対策4個


クリニックを開業する際は準備を入念に行い、できる限り廃業のリスクを抑えましょう。失敗しないためにできる対策を紹介します。

1. 開業場所のニーズや競合を調べる

クリニックの開業時には、近隣住民のニーズや競合についてよく調べるようにします。

人口が多い地域や富裕層が多い地域でも、競合の数によって廃業してしまうことは十分に考えられます。また、住民の間で「この辺りのお医者さんと言ったら◯◯クリニック」と考えられているため、新規開業したクリニックが集客しにくい状況にあることもあり得るでしょう。

この他にも、時間帯による人通りの変化など、調べるだけではわかりにくいことも数多くあります。開業前に一定期間住んでみたり、何度も歩き回ったりすることで、開業場所についての理解を深めることが望ましいでしょう。

簡単に開業場所のあたりをつける方法としては、GoogleMapでその地域のクリニックとその評判を確認するのがいいでしょう。

意外と都内でも以下のように競合で評判の良いところがほとんどない地域もたくさんあります。腕に自信があれば、まだまだ開業して成功することは可能です。

2. 初期費用を抑える工夫をする

親から資金提供を受けたり、所有している土地に戸建てを建てるといった場合には、初期費用が高くなってもさほど問題はありません。

しかし、それ以外のケースで開業時から建物に高すぎる費用を支払う必要はありません。実際に、用意した費用と釣りあわない戸建て開業をして、次第に経営が立ち行かなくなってしまうケースがあります。

また、都市部は医療機関が充実しているため、高度な設備を準備しなくても他の医療機関を紹介することでクリニックを運営することが可能です。

開業時に借入をしすぎると次第に返済が立ち行かなくなる可能性があるため、初期費用は返せる範囲内に抑えるようにしましょう。

3. 信頼できるスタッフを確保する

クリニックを開業する際、スタッフとの関係性が経営に影響することがあります。

スタッフとの信頼関係が構築できていなければ、職場環境に対する満足度が低下し、スタッフ間でのトラブルなどにつながるおそれがあります。クリニック全体の雰囲気が悪化し、患者がクリニックに抱くイメージも悪いものになりかねません。

スタッフの採用時には、院長や他のスタッフと良好な関係を築けるかといった点をチェックしましょう。前職で信頼できる人を誘うのもひとつの手です。

そして採用後もこまめにコミュニケーションをとったり、スタッフが働きやすい職場環境を整備したりなど、スタッフの定着に力を入れることも大切です。

4. 集客方法を学ぶ

どうすれば十分な患者数を確保できるのか、戦略的に考えることが重要です。

近年は駅前などの一等地でなくても、ホームページや口コミを見て良いクリニックだと判断してもらえれば、患者を確保できる傾向にあります。また、高齢化の影響で車で来院する患者が増え、駐車場の広さが患者数に直接影響するといった例もあります。

患者がどのように考え、どんなところからクリニックを探して選ぶのか調べて、それに応じた対策を行うようにしましょう。

ホームページを制作することはもちろん、アクセス数アップのための施策やSNS運用など、オンラインでの集客方法を学んで実践することも大切です。

当社の成功事例

病院の集患支援により、以下を行いました。
・サイト設計の見直し、動線の改善
・サイトのソースコードのSEO最適化
・記事改善、新規記事追加
・ランディングページの改善
・リスティング広告の代行

これらにより、病院の専門領域である複数の病名で検索結果1位を獲得、サイトのアクセス増。リスティング広告の獲得単価は前任者の半分。

当社では無料相談を行っていますので、お気軽にこちらのページからご相談ください。事例の説明なども可能です。

開業後に閉院する場合

医師であれば、開業後に失敗して閉院することになった場合でも、再起が可能です。

他のクリニックで働いたり、閉院後の片付けをしつつアルバイトとして働くこともできるでしょう。

参考:医師求人・転職紹介・アルバイトならMRT

まとめ

クリニックの開業で成功するためには、経営やマーケティングといった観点から物事を考え、適切に準備を進めることが大切です。他院の事例も参考にしながら失敗を防ぎ、リスクの少ない開業を目指しましょう。

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