パーソナルジムを開業するにあたって、顧客を安定的に獲得できるかどうかという点が一番気がかりだという方も多いのではないでしょうか。パーソナルジムで成功するためには、トレーニングの指導だけではなく、集客や経営といった面にも気を配る必要があります。
そこで本記事では、パーソナルジムにおける集客方法や経営戦略について紹介します。顧客に継続してもらうための具体的な方法などについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
パーソナルジム業界の現状
パーソナルジムは、ライザップをはじめ、様々な会社が進出し、一気に増加したものの、競争激化やコロナにより、店舗数の増加ペースは落ち着いてきています。
パーソナルジムは、マンションの一室からでも始められるため、初期費用が安く、出店・撤退のスピードが早いのが特徴です。
多様なジムが出てきているため、他とは違う魅力やサービス内容、質の高いサービスが求められています。
<パーソナルジムの店舗数>
・24/7Workout(89店舗)
・アップルジム(77店舗)
・RIZAP(123店舗)
・チキンジム(36店舗)
パーソナルジムの集客方法6個[オンライン]
スマホやパソコンで手軽に情報を得られるようになった今、多くのパーソナルジムはオンラインを通じて顧客を獲得しています。本項では、オンラインで行えるパーソナルジムの集客方法を紹介します。
1. ホームページ
ホームページによるサービス紹介は、オンラインによる集客の基本的な方法と言えます。
ホームページにはパーソナルジムのプランや料金、アクセス方法といった情報を掲載しましょう。顧客の体験談やビフォー・アフターを載せることで、実績に信頼性が増します。
また、顧客からの興味を獲得するためにトレーナー自身の紹介をすることも有効です。プロフィールを掲載する他、ブログを運営することでトレーナーのパーソナリティを伝えることも大切です。
2. SEO
ホームページを多くの人に見てもらうための工夫として大切なのがSEO(Search Engine Optimization)です。
SEOは日本語で「検索エンジン最適化」と言い、検索エンジンの検索結果にできるだけ高い順位で自分のホームページが表示されることを目指して行う施策を指します。
検索結果の上位にホームページを表示させることができれば、多くのユーザーにアクセスしてもらえるきっかけになります。ホームページからの問い合わせ数が増加すれば、顧客の獲得につなげられるでしょう。
3. MEO
MEO(Map Engine Optimization)とは「マップ検索エンジン最適化」 を指す言葉です。SEOは検索エンジンで上位に表示されることを目指すのに対し、MEOはGoogleマップで上位に表示されることを目指します。
MEOに取り組む際は、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)への登録を行います。登録後にパーソナルジムの情報を記載したり、ユーザーからの口コミで高評価を集めたりすることで、より目立つ位置に情報が表示されるようにすることが可能です。
4. リスティング広告
リスティング広告とは、 Googleなどの検索エンジンでユーザーが検索したキーワードに応じて表示される広告です。通常の検索結果よりも目立つ位置に表示されるため、ユーザーの目に入りやすいメリットがあります。
リスティング広告は「Google広告」「Yahoo!広告」といった各検索エンジンにある広告主用のページから配信することが可能です。
SEOやMEOは時間のかかる施策ですが、リスティング広告はすぐに上位表示させ、見込み客にアプローチできるのがメリットです。
5. ポータルサイト
パーソナルジムの情報を掲載できるポータルサイトを利用することも有効です。 ポータルサイトは、ユーザーが希望のエリアやサービス内容などの条件を入力することで、好みの施設を探せるサイトを指します。
ポータルサイトにはすでにある程度のユーザーがアクセスしているため、自身でホームページを立ち上げるよりもスピーディーに集客できるでしょう。
6. SNS
パーソナルジムの集客で特に力を入れたいのが、SNSの運用です。YouTubeやInstagram、Twitter、TikTokといったSNSでの情報発信は、低予算で多くのユーザーにアプローチできる可能性を秘めています。
例えば、YouTubeでトレーニングなどの動画を投稿することです。「自宅で出来るストレッチ方法」といった有益な情報を発信することで人気が集まり、 認知度の拡大につながるでしょう。Instagramでは短い動画を投稿できる「リール」の機能などを利用できます。
SNSは継続して運用し、フォロワーを集めることで、露出が増えやすくなる傾向があります。スタッフと協力しながらコンテンツを作成するなどして、コツコツと取り組みましょう。
※手軽に取り組むなら、ショート動画で始められるInstagramやTikTokから取り組んでみてください。
パーソナルジムの集客方法3個[オフライン]
オフラインでできるパーソナルジムの集客方法を紹介します。
1. チラシ・ポスティング
パーソナルジムの周辺でチラシを配ることで、近隣住民へ直接アピールすることができます。ネットに比べると拡散力はありませんが「ちょうど自宅から通いやすいジムを探していた」といった人がいれば、問い合わせにつながることがあるでしょう。
チラシは自分で配る方法の他に、ポスティング業者に依頼する方法もあります。どのエリアのどのような住宅をターゲットにするか事前に検討するなど、より多くの反応をもらえる方法を考えましょう。
2. 屋外・看板広告
駅や道路、電車・バスなどの広告枠に広告を出す方法です。パーソナルジムを運営していることをアピールし、認知度を高める役割があります。
また、パーソナルジムの近隣に看板広告を出し、お店の情報や雰囲気を伝えることも可能です。
どこにどう出すと効果が高いのか、施策の効果を測定して、費用対効果を確認するようにしましょう。
3. 友達紹介
すでにパーソナルジムに通っている顧客がいれば、その友達を紹介してもらうことも大切です。先に通い始めた友達から体験談を聞いたり、友達の変化をそばで感じたりすることで、パーソナルジムの魅力が効率的に伝わりやすいメリットがあります。
「紹介で入会金キャッシュバック」「レッスン料割引」などの特典を打ち出すことで、友達紹介につなげましょう。
パーソナルジムの経営戦略ポイント4個
パーソナルジムを開業する上では、経営者目線で物事を考えることも重要です。経営戦略を考える上でのポイントを紹介します。
1. 競合分析
競合分析とは、自身と競合のサービスを比較分析して、自分の事業の強みや課題などを見つけるために行うものです。
まずはネット上で近隣や似たような状況のパーソナルジムを探して、どのように経営されているのかチェックしてみましょう。メニューや料金プランはもちろん、ホームページの雰囲気なども詳細にチェックすることが大切です。
近くの競合ジムに似たところがあれば、どうすれば勝つことができるのか、違いを打ち出せないか考えましょう。
2. コンセプト・差別化
一口にパーソナルジムと言っても顧客のニーズはさまざまです。どんな顧客にどのような価値を提供したいのか考える必要があります。
ジムの方向性を明確に打ち出すために、ジムの魅力を表すコンセプトを考えてみましょう。
・通いやすさ重視のパーソナルジム
・あなただけの理想の身体を目指す
・定額制通い放題
・仕事帰りの30分トレーニング
・女性限定
・脚痩せ専門
など。
他のパーソナルジムのキャッチコピーなどをネットで調べて、どのようなものがあるかどうか参考にしてもいいでしょう。
また、同じようなコンセプトのジムが近隣にたくさんあるようであれば、エリアやコンセプトの見直しも検討します。
3. 立地戦略
パーソナルジムを開業する立地は、顧客層や売れ行き、家賃などを左右する重要な要素です。
立地や物件を選ぶ上では、どのような生活を送る顧客がいつ利用してくれるかなど、具体的な利用シーンをイメージします。
多忙なビジネスパーソンをターゲットとして想定するのであれば駅の近く、高単価でこだわりの空間を提供するのであれば落ち着いた住宅街など、これまでに検討したコンセプトや戦略と合致する立地を選ぶことが大切です。
一度物件を選ぶと簡単には変えられないので、慎重に選ぶ必要があります。
4. 自分の強み
1人もしくは少人数のスタッフで行うパーソナルジムは、トレーナー個人の強みが経営戦略に直結することがあります。
「ボディビル大会の出場経験がある」「女性のボディメイクに自信がある」など、自身の強みを戦略として取り入れることも大切です。 また、トレーナーの人柄や性格に対して顧客が集まるということもあるでしょう。
これまでの経験やスキルなどの振り返りを行ったり、他者から評価してもらったりすることで自分の強みを発見し、パーソナルジムの経営に生かすことを考えます。
パーソナルジムの客単価
近年は手頃な値段で通えるパーソナルジムも増えてきましたが、パーソナルジムの本来のターゲットは富裕層であり、客単価も高めに設定する傾向があります。
開業時は顧客が契約しやすいよう、単価を安めに設定しようと考える方もいるかもしれません。しかし、単価を下げると「サービスの質がよくないのではないか」「高いパーソナルジムに入会した方が効果が出るのではないか」などと顧客に思われてしまう可能性もあります。
自分が提供するサービスにふさわしいと考えた料金プランを値下げすることなく、堂々と打ち出すことも意識しましょう。
パーソナルジムの顧客継続率を上げる方法3個
最後に、パーソナルジムの顧客継続率アップのために行いたい施策を紹介します。
1. トレーニングスケジュールの提供
顧客のモチベーションを保つため、入会前後にヒアリングを行ってトレーニングスケジュールを作成することが大切です。
個別に対応できるというパーソナルジムのメリットを生かして、顧客の要望や生活習慣などを反映します。トレーニングの見通しがつきやすく、通いやすい環境が作れるでしょう。
2. 定期的なカウンセリング
パーソナルジムでは、トレーニングにトレーナーがきちんと関与するという前提があります。入会時はもちろん、入会後も定期的にカウンセリングを行うことで、顧客のサポートを行いましょう。
「パーソナルジムなのに親身になってくれない」と感じさせるようなことがあれば、顧客は退会しやすくなります。カウンセリングを行い1人1人の顧客を大切にしている姿勢を見せることで、継続率をアップさせましょう。
3. LINE公式アカウントやメルマガの運営
オンラインツールを利用して、トレーニングに関する有益な情報やジムの営業時間などを配信することも有効です。
パーソナルジムを印象づけ、多忙であるなどの理由で通いにくい時期もジムの存在を思い出してもらえるメリットがあります。
また、接触する回数を増やすことは、パーソナルジムに対する好意や思い入れを育てることにもつながります。
まとめ
パーソナルジムはトレーニングの内容だけにとどまらず、立地やトレーナーの魅力、SNS戦略など、さまざまな要素で成功するかどうかが決まります。経営の目線から集客方法や営業方法について考えるなど、戦略的な立ち回りが求められるでしょう。
その反面、顧客に気に入ってもらえれば継続率が高まり、安定して高い利益を生み出せる可能性のあるビジネスとも言えます。大きなリターンを得ることを目指し、経営に力を入れてみてはいかがでしょうか。