ダイエットの広告規制!可能表現・ビフォーアフター禁止?

ダイエットの広告規制!可能表現・ビフォーアフター禁止?

ダイエットに関する商品やサービスは非常にニーズが高く、テレビや雑誌など色んな媒体で広告が行われています。

インターネット上でもたくさん広告が出ていて、インフルエンサーやYoutuberなどが企業から依頼を受けて、SNS上でPRしている投稿もよく見かけるでしょう。

ただ、ダイエット関連の広告を行うにあたっては、法律上の一定のルールに従う必要があります。この記事では、ダイエットの広告規制や可能表現について分かりやすく説明します。

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ダイエット広告は嘘や詐欺が多い?

ダイエット広告はこれまで薬機法違反や景品表示法違反でニュースになった事例が多々あり、嘘や詐欺は比較的多いジャンルと言えます。

食品でやせるにしても運動でやせるにしても、体重が減少した幅には根拠が必要ですし、体の変化をうたうのであれば、薬機法違反になるおそれもあります。

食品(サプリメント含む)と運動(ジムなど)の場合にわけて規制内容を説明します。

ダイエットの広告規制

ダイエットサプリメントや食品の場合

ダイエットサプリメントやダイエット食品の広告を行う場合、薬機法、景品表示法、健康増進法の規制に注意する必要があります。

薬機法では、あたかも医薬品的な効果があるかのような標ぼうすることは禁止されています。例えば、ダイエット商品の成分が身体に直接的に作用してやせるという効果を標ぼうすると薬機法に抵触する可能性があります。

景品表示法では、合理的な根拠がなかったり、適切な調査を行っていなかったりするにも関わらず、効果や体験談を表示することは禁止されています。また、エビデンスを求められた際に、合理的な試験結果や調査結果などを提出できる必要があります。

健康増進法では、虚偽誇大表示にあたらないことが重要なポイントです。消費者庁は、人間が適切な運動や食事制限をしながら痩せることができるのは、6ヶ月で4~5kg程度と述べています。そのため、ダイエット商品を摂取しただけで、短期間で大幅に体重が減少するなど現実的に立証が難しい効果を標ぼうすると健康増進法に抵触することとなります。

ダイエットジムの場合

ダイエットジムの広告の場合、景品表示法の規制に注意する必要があります。合理的な根拠がなかったり、適切な調査を行っていなかったりするにも関わらず、効果や体験談を表示することは禁止されています。

例えば、「一週間でウエストがマイナス10cm」や、「顧客の99%が効果を実感」などの広告を行った場合、合理的な根拠が無ければ、これらの表示は「優良誤認表示」と判断され、景品表示法違反となります。

また、痩身効果を標ぼうした上で、「※結果には個人差があります。」などの注釈を入れた広告を見かけますが、これで優良誤認を回避できない点にも注意が必要です。

他にも、条件があるにもかかわらずその内容を表示せずに「全額返金保証」と標ぼうしたり、事実や調査に基づかずに「どこのジムよりも安い」と標ぼうしたりすることは、景品表示法上の「有利誤認表示」となる可能性があります。

ダイエットの広告可能表現

ダイエットサプリメントや食品の場合

先述したとおり、ダイエットサプリや食品の成分が、身体に直接作用し、あたかも医薬品的な効果があるかのような表現は禁止されています。

例えば、「一日のうち、一食分を置き換えてダイエット」など、あくまで低カロリーな食品に一食分を置き換えたことで、全体的なカロリー摂取量が減少して痩せたという表現であればOKです。

また、ダイエットサプリであれば、痩身効果があることを標ぼうすると薬機法に抵触する可能性があるので、「美しいボディのために」や、「健康的な体のために」など、具体的な痩身効果を標ぼうするのではなく、「美容」や「健康」などの抽象的な表現に留めれば表現できます。

また、「理想的な体型に重要な商品です」など、具体的な身体への作用を標ぼうせず、単に健康維持に重要であることを示す表現を行うこともできます。

ただし、そのサプリメントや食品が機能性表示食品であれば、認められた機能性の範囲内で身体への作用を表現できます。

ダイエットジムの場合

合理的な根拠があれば、ダイエットジムで痩身効果を標ぼうすることができます。

例えば、モニターの人を掲載して、「ウエストがマイナス◯センチ」や、「体脂肪率が◯%減」など数値で効果を訴求する場合、数値が虚偽でないことは勿論、モニター期間や食事制限も並行して行ったことなどを明瞭に記載し、ジムに通うだけで痩せられると一般消費者に誤認させないようにすることで優良誤認を回避できます。

ただし、極限的なな方法でダイエットを行い、普通の人では難しいような数値を示している場合は、問題となる可能性があります。

また、「全額返金保証」などの表示についても、返金保証を受けられる期間や、受けられる条件などを必ず明瞭に付記し、無条件で全額返金されると一般消費者に誤認されないようにすれば、広告で表現可能です。

ダイエットの広告違反表現

ダイエットサプリメントや食品の場合

ダイエットサプリメントや食品の広告違反表現として以下のようなものがあります。

「普段の食事を変えなくても、〇〇を飲んいれば1ヶ月で10キロ痩せる」
「飲むだけで1ヶ月に10キロ減」
「一食置き換えただけで1週間で5キロ痩せました」
「飲むだけで脂肪が落ちる」
「〇〇を飲んで余分な脂肪の代謝を促す」
「脂肪を分解し、体外に排出する」
「トイレに脂浮いてたけど何事?身体の脂がドバドバ出る」
「痩せやすく、太りにくい体に体質改善」
「腸内にたまっていた宿便が出てやせる」
など

このように、合理的な根拠がなくダイエット効果を標ぼうしたり、脂肪を分解するなど身体の機能・構造に作用する医薬品的な効果を標ぼうすると法律に抵触します。

また、「※効果には個人差があります。」や、「※効果を保証するものではありません」などの打消し表示を行っても法律違反を回避できるわけではない点にも注意が必要です。

ダイエットジムの場合

ダイエットジムの広告違反表現として、以下のようなものがあります。

「県内No.1のジム」
「人気ナンバーワンのジム」
「たった一週間通うだけでウエストがマイナス10センチ」
「会員の95%が目標を達成」
「全額返金保証(条件を記載しない場合)」

ナンバーワン表記については、何をもって1位なのか、いつの時期に、どのような調査を行ったのか、調査機関や調査方法などを具体的かつ明瞭に表示する必要があります。単に「ナンバーワン」と標ぼうすると、景品表示法上の優良誤認表示と判断される可能性があります。

また、先述したように、ジム料金の返金保証については、条件がある場合は必ず明瞭に表記する必要があるので、単に「全額返金保証」だけを表示すると有利誤認となります。

ダイエットのビフォーアフターは禁止?

ダイエットサプリメントや食品の場合

ダイエットサプリメントや食品のビフォーアフター表現は禁止されていません。

ただ、ダイエットサプリメントや食品を摂取するだけで、食事制限や運動をしなくても痩せることができるという直接的な違反表現をしていなくても、商品を摂取するだけで短期間で急激にやせることをビフォーアフター写真で暗示的に表現していると判断された場合、不当表示と判断される可能性があります。

ビフォーアフター表現自体が禁止されているわけではありませんが、適切な運動や食事制限を並行して行ったことや、適切な期間などを表示することが非常に重要です。

ダイエットジムの場合

ダイエットジムのビフォーアフター表現も禁止されていません。

ダイエットジムのホームページなどで、モニターを載せて、「ウエストがマイナス◯センチ」や、「体脂肪率が◯%減」などの表示を行っているものをよく見かけますが、効果が真実で、適切な運動や食事制限を並行して行ったことや、適切な期間などを明瞭に表示すればOKです。

ただ、サプリメントや健康食品と同様で、ジムに通うだけで急激に痩せられるかのような表現はNGです。

ダイエット広告の法律違反事例

機能性表示食品のダイエットサプリメント

2023年12月7日、消費者庁は機能性表示食品のダイエットサプリメントを販売している会社に対して、優良誤認表示が認められたことから措置命令を行いました。

<具体的な表示内容>
「何をやっても太る理由が判明! 食べてないのに太るのは“燃焼力”がないから 50kg以上の女性 9割がしていない 3週間で60.8kg→47.2kgまで痩せた方法がすごい!」との記載と一緒に、引き締まった腹部の画像等を表示。

「王冠のデザインがついたエンブレムの画像と共に、「30~60代女性が選ぶダイエットサプリ Mo.1」等と表示。

<問題点>
まず、機能性表示食品のダイエットサプリメントであっても、3週間で10キロ以上など、飲むだけで短期間に大幅にやせるという効果を表現することは、優良誤認表示になります。

次に、No.1表示についてです。自社調査でも問題ありませんが、調査方法は客観的な方法で行う必要があります。今回はそのような調査方法であるとは認められませんでした。

まとめ

ダイエット関連の商品やサービスは、幅広い世代からニーズが高く、競争が激しいため、やりすぎな表現になりがちです。法律違反で取り締まりを受ける企業はあとを絶ちません。広告を行う際は、必ず正しい法律知識を身に付け、不安があれば法律の専門家に相談してください。

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