アンチエイジングというワードは、薬機法上、問題になるのでしょうか。アンチエイジングの意味や使用する場合、エイジングケアというワードの場合などについて解説します。

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アンチエイジングの意味とは?

アンチエイジング(anti-aging)とは、「抗老化」「抗加齢」などを意味し、老化を限りなく抑え、若々しさを維持することです。

薬機法とは?

薬機法とは、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品などを対象とし、品質・有効性・安全性の確保を行い、危害の発生・拡大を防ぐために必要な規制を行うことを目的としたものです。

薬機法の広告規制

薬機法は、第66条・第67条・第68条で広告を規制しています。

アンチエイジングという効能効果表現は、これらの広告規制と関わります。

・第66条(誇大広告の禁止)
・第67条(特定疾病用の医薬品及び再生医療等製品の広告の制限)
・第68条(承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止)

化粧品とアンチエイジング

一般化粧品の効能効果は、56個に定められていて、アンチエイジングという効能効果はそれらを逸脱するものです。

そのため、化粧品でアンチエイジングという表現を使うことはできません。

<化粧品の効能効果56個>

(1) 頭皮、毛髪を清浄にする。
(2) 香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。
(3) 頭皮、毛髪をすこやかに保つ。
(4) 毛髪にはり、こしを与える。
(5) 頭皮、毛髪にうるおいを与える。
(6) 頭皮、毛髪のうるおいを保つ。
(7) 毛髪をしなやかにする。
(8) クシどおりをよくする。
(9) 毛髪のつやを保つ。
(10) 毛髪につやを与える。
(11) フケ、カユミがとれる。
(12) フケ、カユミを抑える。
(13) 毛髪の水分、油分を補い保つ。
(14) 裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。
(15) 髪型を整え、保持する。
(16) 毛髪の帯電を防止する。
(17) (汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする。
(18) (洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)。
(19) 肌を整える。
(20) 肌のキメを整える。
(21) 皮膚をすこやかに保つ。
(22) 肌荒れを防ぐ。
(23) 肌をひきしめる。
(24) 皮膚にうるおいを与える。
(25) 皮膚の水分、油分を補い保つ。
(26) 皮膚の柔軟性を保つ。
(27) 皮膚を保護する。
(28) 皮膚の乾燥を防ぐ。
(29) 肌を柔らげる。
(30) 肌にはりを与える。
(31) 肌にツヤを与える。
(32) 肌を滑らかにする。
(33) ひげを剃りやすくする。
(34) ひげそり後の肌を整える。
(35) あせもを防ぐ(打粉)。
(36) 日やけを防ぐ。
(37) 日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。
(38) 芳香を与える。
(39) 爪を保護する。
(40) 爪をすこやかに保つ。
(41) 爪にうるおいを与える。
(42) 口唇の荒れを防ぐ。
(43) 口唇のキメを整える。
(44) 口唇にうるおいを与える。
(45) 口唇をすこやかにする。
(46) 口唇を保護する。口唇の乾燥を防ぐ。
(47) 口唇の乾燥によるカサツキを防ぐ。
(48) 口唇を滑らかにする。
(49) ムシ歯を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(50) 歯を白くする(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(51) 歯垢を除去する(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(52) 口中を浄化する(歯みがき類)。
(53) 口臭を防ぐ(歯みがき類)。
(54) 歯のやにを取る(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(55) 歯石の沈着を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(56) 乾燥による小ジワを目立たなくする。注1) 例えば、「補い保つ」は「補う」あるいは「保つ」との効能でも可とする。
注2) 「皮膚」と「肌」の使い分けは可とする。
注3) ( )内は、効能には含めないが、使用形態から考慮して、限定するものである。

医薬部外品とアンチエイジング

薬用化粧品は薬機法上の医薬部外品に当たります。薬用化粧品の効能効果には以下がありますが、それら以外にも、承認された効能効果であれば表現できます。

ただ、アンチエイジングという表現が認められた商品はありません。

<薬用化粧品の効能効果>

種類効能・効果
1.シャンプーふけ・かゆみを防ぐ。
毛髪・頭皮の汗臭を防ぐ。
毛髪・頭皮を清浄にする。
毛髪・頭皮をすこやかに保つ。
毛髪をしなやかにする。
2.リンスふけ・かゆみを防ぐ。
毛髪・頭皮の汗臭を防ぐ。
毛髪の水分・脂肪を補い保つ。
裂毛・切毛・枝毛を防ぐ。
毛髪・頭皮をすこやかに保つ。
毛髪をしなやかにする。
3.化粧水肌あれ。あれ性。
あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびを防ぐ。
油性肌。
かみそりまけを防ぐ。
日やけによるしみ・そばかすを防ぐ。
日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ。
肌をひきしめる。肌を清浄にする。肌を整える。
皮膚をすこやかに保つ。皮膚にうるおいを与える。
4.クリーム・乳液・ハンドクリーム・化粧用油肌あれ。あれ性。
あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびを防ぐ。
油性肌。
かみそりまけを防ぐ。
日やけによるしみ・そばかすを防ぐ。
日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ。
肌をひきしめる。肌を清浄にする。肌を整える。
皮膚をすこやかに保つ。皮膚にうるおいを与える。
皮膚を保護する。皮膚の乾燥を防ぐ。
5.ひげそり用剤かみそりまけを防ぐ。
皮膚を保護し、ひげをそりやすくする。
6.日やけ止め剤日やけ・雪やけによる肌あれを防ぐ。
日やけ・雪やけを防ぐ。
日やけによるしみ・そばかすを防ぐ。
皮膚を保護する。
7.パック肌あれ。あれ性。
にきびを防ぐ。
油性肌
日やけによるしみ・そばかすを防ぐ。
日やけ・雪やけ後のほてり。
肌をなめらかにする。
皮膚を清浄にする。
8.薬用石けん(洗顔料を含む)< 殺菌剤主剤のもの>
皮膚の清浄・殺菌・消毒。
体臭・汗臭及びにきびを防ぐ。< 消炎剤主剤のもの>
皮膚の清浄、にきび・かみそりまけ及び肌あれを防ぐ。

健康食品とアンチエイジング

健康食品は、薬機法の対象ではありませんが、医薬品的効能効果を述べると薬機法の規制が及び、第68条(承認前医薬品の広告の禁止)に抵触します。

アンチエイジングというワードは、医薬品的効能効果にあたります。

以下の効能効果は、医薬品と見なされます。

(1)疾病の治療又は予防を目的とする効能効果
(2)身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効能効果
(3)医薬品的な効能効果の暗示
‐(a)名称又はキャッチフレーズよりみて暗示するもの
‐(b)含有成分の表示及び説明よりみて暗示するもの
‐(c)製法の説明よりみて暗示するもの
‐(d)起源、由来等の説明よりみて暗示するもの
‐(e)新聞、雑誌等の記事、医師、学者等の談話、学説、経験談などを引用又は掲載することにより暗示するもの

エイジングケアと薬機法

エイジングケアとは、加齢に応じて変化する肌や体に対して、年齢に応じたお手入れを行うことを意味します。

アンチエイジングとは似た言葉ですが、意味は異なります。

ただ、「若々しい肌がよみがえるエイジングケア」のように「エイジングケア」という言葉を使いつつも、若返りを意味する表現は薬機法違反になります。

アンチエイジングの言い換え表現

アンチエイジングというワードを適法な範囲の表現に言い換えた場合の具体例です。

・エイジングケア
・健康な肌の維持
・若々しさをサポート
・美しくハリのある毎日に
など。

薬機法に違反した場合のリスク

薬機法に違反した場合、広告規制の罰則として、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金または併科、があります。

また、行政処分として、措置命令や課徴金納付命令が下されるおそれもあります。

まとめ

アンチエイジングは、薬機法違反になる表現だと知らずによく使われがちです。Webメディアやアフィリエイトなどで使われているケースは何度も見かけたことがあります。

使わないように注意しましょう。

<参考>
薬機法でアンチエイジング・エイジングケアは使える?
薬機法NGワード表現例50個